はじめに

最新号
        

                『人をつなぐ音』

 6月、アフリカ・ジンバブエの楽器、ムビラの紙芝居と演奏のため西日本へ出向きました。ムビラを知る人も、初めて音を聞いた人も、その演奏と物語に心地よさを感じてくれたように思います。
 京都、大阪は、ムビラの演奏をする人も多く、そのレベルの高さ、熱心さに感動しました。そして、ライブをする場所も宿泊も多くは、ムビラを愛する仲間が提供してくれたものでした。同じムビラを愛するものどうしは、初めて会ったのに初めてという気をさせませんでした。
ムビラという楽器は、クシャウラとクチニラという2つの別々のに聞こえる曲を合奏することで、ひとつの美しい音の流れを作り出すことができます。1人で弾くよりも、2人以上で演奏されたときにその力を発揮する楽器です。自分のリズムを保ち、かつ相手とのリズムをよく聞き合わせ、同じ音の中にいるとき、共に演奏するものどうしは混じり合い、一体化したような心地を得られます。それはジンバブエでムビラを使った儀式に参加し、踊り歌い、異国の地であるのにその地に包まれ、混じり合えた時と似た感覚を覚えるのです。
 私は、こんなムビラという楽器の中にピースな姿をみています。
 人間関係は、長所、短所、主義主張いろいろです。でも、ムビラの力が発揮できるには、仲間が必要で、共にリズムに合わせ、相手の音を聞き一体化することが必要です。違う音を奏でながら、ともに在ることを目指すのです。こういうムビラを愛し演奏するものは、ムビラというつながりで絆を深め、そのつながりを大切にしているように思えます。
 今まで、ジンバブエで出会って、ムビラを通じて行動をともにしてきた仲間との間で、ムビラは人をつなぐ力を持っていると感じてきました。しかし、西日本へ行き、多くのムビラを愛する仲間に暖かく迎え入れられ、つながることができて、ムビラは人と人とをつなぐ力を持つと確信しました。
 この輪を広げ、多くの日本に住む人と、アフリカの大地と人々とつながっていけることを願って、これからもムビラとともに在りたいと思います。
 


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