はじめに

最新号
         

                『土に抱かれて』
 書店に、自宅周辺の「今と昔」を追った写真集が置かれていました。昭和30〜40年代と現在の風景を比較しています。たった40年前、小山には木が生い茂り、その脇に小さな家がぽつんとあり、畑に囲まれていました。現在、小山は木をまばらにしながら名残を残し、小さな家は建て替えられ、畑は道路と家並みになっていました。
 最近、崖を切り開いて土留めをし、よくこんなと所にと思う場所にさえ家が建つようになりました。公園の再整備も盛んで、舗装された遊歩道ができ、土の部分少なくなっています。高台に立つと、富士山や丹沢の山並みが広がっています。空も雄大です。でも、視線を下げれば色とりどりの家並みばかりです。あの家の下にも、アスファルトの下にも家はあり、土の中には木や草、虫たちがいたはずです。今、彼らはどうしているのでしょうか。
 先日、犬を散歩している様子を見ていたら、犬は排泄後排泄物に向かって盛んに地を蹴っていました。しかし、下は土ではないので、排泄物は置き去りだし、犬の爪は削られるばかりです。
 人間は数的には少数派ですが、地球を占領しきっています。このように人工的に自分達が作り出したものに囲まれ、自然から遠く離れ、人間は真に幸せになったでしょうか。
 私は、旅をしていたとき方が、自然から恵みや周囲の人々の助けを深く感じ取れました。私は、一人ではなく、自然界の人間、植物、虫といった多くの生けるものとつながって生きているという思いは、私に満ち足りた幸せな豊かさを感じさせてくれました。今は、自宅で少々野菜を育てています。山や海に出かけます。余分なものを買わず、ゴミも減らしていきたいです
 今、人間はもっともっとと物を増やし、次から次へ追い求め、自然から離れ精神を貧しくし、自然を壊して環境に適応できなり、自滅への道を進んでいます。精神的にも生活様式そのものも、大きく変容していかなければならない、その具体策はと日々模索する日々です。


#