ムビラの楽器の説明
木・鍵盤・さわり音・デゼ・チューニング
演奏法・曲・パーカッション・歌・ダンス

木は、mukuwaが一般的です。20cm大の大きさが一般的です。
かつては斧を使用し、手作業で加工していましたが、今は機会で溝を削っているものも多く見かけます。
共鳴を良くするため、木に空洞を細工する職人もいます。


鍵盤
22本キー(左手上段6本、下段7本、右手側9本)が一般的です。
それ以上の、エキストラキーが付いた物も多く見かけます。
右手の3本目までを親指で上から叩いて弾き、4本目からは人差し指で下からはじいて弾きます。左手は、すべて親指で上から叩いて弾きます。

キーは、現在はレインホースと呼ばれる針金が多く使われます。かつてはスプリングを熱して、伸ばしているものも多く見られました。
針金を、鉄の土台の上に置き、金槌で叩いて伸ばします。その微妙な鉄の厚さ、長さを叩き分けるのが、職人技です。

音程は、ブリッジを決めるバーから下のキーの長さで決まります。
音の伸びは、キーを止めているバーとキーの密着度、ブリッジ下のバーとキーの密着度が重要となります。


さわり音
アフリカ音楽は、主音を彩る雑音を好んで使います。
ムビラでは、木に木のバーをつけたり、ボトルキャップ、貝殻をつけたりして、ジー、ジーといった雑音を生み出します。



デゼ
ムビラを中に挿入し、棒で固定し、取り外しのできる共鳴器とします。
カラバシュとも言うように、原型はひょうたんです。
最近は、壊れ難いグラスファイバー製のカラフルなものが多くみられます。ムビラ本体やデゼに紐を取り付けれ、首にぶら下げると立って演奏することも可能です。デゼにも、ボトルキャップなどが取り付けられ、さわり音を生み出します。


チューニング
nyamaropa(ニャマロパ)チューニングが一般的と言われます。nyamaropaチューニングをnhemanusasaチューニングと名前を変えていうこともあります。

B♭のnyamaropa チューニングのおおよその音階
左手
上段 
7  6  5  4  3  2  1  右手  1  2  3  4  5  6  7  8  9 
音階 C  B♭ A♭ G  E♭ F  B♭ 音階 D  B♭ C D  E♭ F  G  A♭ B♭
左手
下段
7  6  5  4  3  2  1 
音階 C  A♭ G  F  E♭ D  B♭  

ムビラは民族楽器です。
現在でこそチューナーで音階を整える職人もいますが、本来は職人の感性によって作られます。
一つ一つ手作りなため、時期やものにより同じ職人でもチューニングに差がでます。
音階図を絶対のものと思わず、その微妙な差をムビラの味だと思ってください。

チューニングの種類には、他にdambatsoko、nyuchi、mabembe、gandanga、dongonda、mahororo、tairevaなどさまざまあり、同じ名前でもムビラ職人によりチューニングは変わってくることもあります。


演奏法
ムビラは基本的には2台以上で演奏されます。
一曲の中にkushaura(クシャウラ)とkutinhira(クチニラ)の2つのパートを持ち、その合奏でひとつの曲となります。例外を除き一曲は、16拍からなります。
まず、クシャウラからゆっくり始まり、クチニラがそれにのり絡み合い、同じフレーズを繰り返し演奏し、徐々に変化して行き、ホーショウなどのパーカッションや歌が入り、スピードが増していって盛り上がりを作っていきます。パシパミレ氏は、上級者がクチニラを弾くと言っていました。

クシャウラとクチニラの合奏方には、いくつかパターンがあります。クシャウラとクチニラがほとんど同じ音で、リズムがひとつずれてかみ合わさるものと、左右の交互弾きとリズムカルなものの組み合わせなどです。
完璧に合奏されると、2台の右手の高音は隙間なく交互に弾かれます。例外もありますが、このとき多くの曲は、クシャウラがクチニラに先行します。同じ師匠から習ったクチニラとクシャウラは、右手の高音のアレンジが同一なため、合奏されると一音の狂いもなく交互に音が噛み合い、美しいものです。



chamutengureは、Ephat mujuruのCDでも紹介され有名ですが、本来はMbira dze vadeimu の曲ではありません。
Mbira dze vadeimu は、祖先の霊を呼ぶ宗教儀式に使用される楽器のため、厳密には儀式の伝統曲のみを弾きます。もっとも古い曲は、nyamapopaと言われます。karigamonbe、mahororoなどはその進歩した形で、ほとんどの伝統曲は関連性を持っています。nhemamusasaは特に有名ですし、taireva、bangizaなどもよく演奏される有名な曲です。


パーカッション
ムビラの演奏で指揮者の役割を持つのは、hosho(ホーショウ)です。
小さなひょうたんに豆を入れたマラカスです。クシャウラとクチニラの演奏がそろったところで、ホーショウが入り、メロディアスなムビラにリズムを与えます。
ムビラは、タタタ、タタタと8分の6拍子を打ちます。ホーショウはコレに片手で♪(タ)をうち、残り♪♪(タタ)をのもう片手で中の豆をかき混ぜるようなジャラという音を出して表現します。
このホーショウの刻み方が、ムビラ音楽ののりを作り出しているといえるでしょう。
その他、手拍子、拍子木、ngoma(太鼓)が加わり、ムビラの音を非常にリズムカルなものにしていきます。
ショナのngomaも、ムビラと同様にクシャウラ、クチニラの叩き方を持っているようで、奥深さを感じます。



伝統的な歌い方は、mahongera(低い声)、huro(高いヨーテル調)、kudekera(意味を持った歌詞)の3種類を歌い分けます。
歌の内容は、祖先へ問題解決を懇願する内容が多く見られます。曲の題名と歌詞の内容には、対応していないことも多く、歌詞の内容も断片的な詩となって全体的な意味は分かりにくいものも多く見られます。
ショナの独特な節回しは、ムビラの音とともに聞く者の魂に響き、注目してほしいところです。


ダンス
ムビラは、他のアフリカの楽器と同様に踊り手のための音楽です。ジンバブエの人々は、ムビラ音楽に合わせ、子供の頃から自然に踊りだします。
ダンスは男女別に踊り方を持ちます。男性は足踏みをするように、女性は跳ねるように踊っていました。時に脚にシェーカーをつけ、音を彩ります。儀式には、頭に壺を載せて踊る様子も見られます。